「京料理」をかたちづくる大切なことしつらえ

季節ごとのふんいきで楽しませる
空間の演出

漢字で「室礼」「設え」と書きますが、もとは神さまへのお供えを飾りつける作法でした。室町時代に入って、建物のお客さま用の部屋に床の間がつくられます。この特別な部屋をかけじくや花、香炉などで飾り、お客さまを迎える用意をしつらえというようになりました。しつらえは茶道でたいへん大事にされ、料理屋や旅館がお客さまをもてなすための準備として根づきました。
日本には春夏秋冬という四季がきっちりとあり、日本人はそれぞれの季節をあらわす工夫をとても好みます。たとえば夏にすだれや涼しそうな建具を出し、夏の花を生ける、冬はこたつを出して暖色のものを飾るとか、季節ごと行事ごとの模様替えが「しつらえ」のベースです。

ページトップへ