京都市には旧石器時代から近現代に至るまで、日本の歴史を考えるうえで欠かせない多くの有形無形の文化財があります。特に平安京建都以降は、長い間我が国の中心的役割を果たし、その重ねられた時間の中で育まれた華麗かつ繊細な文化が、今なお伝え続けられている世界有数の文化都市でもあります。
埋蔵文化財も同様に市街化区域では全体の4割を超える区域が、埋蔵文化財包蔵地に該当します。こうした幾層にも積み重なった遺跡は、本市でしか得られない情報を提供し、我が国の歴史や文化を理解する上で欠かすことのできない国民共有の財産といえます。
本市では、先人が残した貴重な埋蔵文化財を適切に後世に伝える責務を果たし、将来にわたって日本文化を国内外に発信していけるようその活用に取り組んでいます。
この度、京都市が平成29年度以降に実施しました市内の遺跡の発掘調査、試掘調査、詳細分布調査の調査成果をまとめた報告書を作成いたしました。この報告書が京都の歴史と文化財への理解と関心を深めるために、広く活用いただければ幸いに存じます。