文化財とは?
文化財は、長い歴史の中で育まれ、今日まで守り伝えられてきた私たちの貴重な財産です。
文化財は主に、以下のような種類に分けられ、文化財保護法や各自治体の定める条例に基づいて国、都道府県、市区町村が指定・登録等を行い、保護のための取組を進めています。
区分 | 対象 | ||
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有形文化財 | 建造物 | 社寺建築 | 宗教活動に使われる建物 |
町家建築 | 市街地や街道沿いの店舗併用住宅や同形式の住居 | ||
民家建築 | 町家を除く住宅建築で主に農家 | ||
近代洋風建築 | 洋風形態の建物(明治~昭和戦前期) | ||
近代和風建築 | 伝統的形態の建物(明治~昭和戦前期) | ||
その他 | |||
美術工芸品 | 絵画 | 宗教画(仏教・神道絵画等)・世俗画(山水画・花鳥画・物語絵・風俗画 等)等 | |
彫刻 | 仏像・神像・肖像・仮面等 | ||
工芸品 | 陶磁器・金工品・漆工品・染織品・甲冑・刀剣等 | ||
書跡・典籍 | 天皇・貴族・僧侶等の直筆の詩歌・書簡等、写本・版本等 | ||
古文書 | 公家・武家・寺社や地域の歴史に関わる事象が記された書類等 | ||
考古資料 | 重要遺跡の一括資料や伝世品に類品のないもの | ||
歴史資料 | 近代遺産や歴史上の重要事項に関する一括資料群等 | ||
無形文化財 | 芸能 | 音楽・舞踊・演劇等 | |
工芸技術 | 陶芸・染織・漆芸・金工等 | ||
民俗文化財 | 有形民俗文化財 | 風俗慣習、民俗芸能、民俗技術に用いられる衣服、器具、家屋等 | |
無形民俗文化財 | 風俗慣習 | 年中行事や人生儀礼等 | |
民俗芸能 | 地域の祭礼や行事で演じられる歌や舞、踊、演劇等の芸能 | ||
民俗技術 | 生活や生業に関わる製作技術等 | ||
記念物 | 史跡 | 住居跡、都城跡、社寺の跡、窯跡、古墳、旧宅跡等 | |
名勝 | 庭園、峡谷、山岳、湖沼等 | ||
天然記念物 | 動物、植物、地質鉱物等 | ||
文化的景観 | 地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの | ||
伝統的建造物群 | 周囲の環境と一体をなして歴史的風致を形成している伝統的な建造物群で価値の高いもの | ||
文化財の保存技術 | 文化財の保存に必要な材料や用具の生産・製作、修理・修復の技術等 | ||
埋蔵文化財 | 土地に埋蔵されている文化財 | ||
文化財環境保全地区 (京都市独自区分) |
建造物や史跡名勝天然記念物の周囲の環境を良好に保つため設定される地区 |
京都市の独自制度
京都市では、文化財として指定・登録がされていない未指定文化財を維持・継承するため、以下のような独自制度を設けています。
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京都を彩る建物や庭園制度
市民の皆様が京都の財産として残したいと思う、京都の歴史や文化を象徴する建物や庭園を、市民ぐるみで維持・継承を図ろうとする制度です(平成23年11月創設)。
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京都をつなぐ無形文化遺産制度
京都に伝わる無形文化遺産の価値を再発見、再認識し、内外に魅力を発信するとともに、大切に引き継いでいこうという気運を盛り上げるため、創設した制度です(平成25年4月創設)。
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まち・ひと・こころが織りなす京都遺産制度
個々に見るだけでは分からなかった文化遺産の新たな魅力を伝えるため、京都の文化遺産をテーマごとにまとめ、地域性、歴史性、物語性を持った集合体として認定する制度です(平成28年1月創設)。