2021.12.22

文化財の現場からシリーズvol.3「お坊さんが住んでいた建物が見つかった!~史跡西寺跡の発掘調査~」の公開について

 文化財の現場をみなさまにご紹介する文化財の現場からシリーズ(※不定期更新),第3弾は,再び史跡西寺跡で「お坊さんが住んでいた建物が見つかった!」です。

 こちらの動画は,YouTubeの字幕表示オンでご覧いただくことをオススメします!

 

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 本日の現場は,再び国指定史跡の西寺跡です!

 

 平安京遷都に合わせ,都を仏教の力で守るために造営された西寺と東寺。

 東寺は弘法大師空海に下賜され,真言密教の寺院となり,現在まで伝えられています。一方,西寺は国営の寺院として維持されていましたが,990年の火災によって中枢部分が焼失。残っていた五重塔も鎌倉時代に焼け落ち,再建されませんでした。現在は,唐橋西寺公園や唐橋小学校,民家の地下に遺跡として眠っています。

 

 2020年の調査では,お坊さんがお経の勉強を行う講堂跡を確認しました文化財の現場からシリーズvol.2「眠りから覚めたコンド山~史跡西寺跡の発掘調査~」参照。今回の現場は講堂の北側にあったと考えられるお坊さんの住居,北僧房(きたそうぼう)を探ります。

 

 現在の地面から,平安時代の地面の真上まで,重機を使って掘り下げ,その後は発掘作業員さんとともに,手作業で掘り進めます。

 次第に北僧房の礎石を据えていた大きな穴や,講堂とを繋ぐ廊下(北軒廊(きたこんろう))の基壇を飾る石材(凝灰岩(ぎょうかいがん)と呼ばれる白い石)が姿を現しました!

 

 今回の調査によって,北僧房の位置が確定し,西寺の伽藍復元図に新たなページが加わりました。

 

 普段は目にすることのない,発掘調査の一部始終をご覧ください。

 

 

●史跡西寺跡情報●

 *北僧房跡は発掘調査後に埋め戻されています。

  唐橋西寺公園の中に残されている土壇状の高まりの北側にあたります。

 〒601-8466 京都府京都市南区唐橋西寺町

 

 

*****文化財の現場からシリーズ第1弾と第2弾の御紹介*****

vol.1「瀧尾神社の屋根が宙に浮く」はこちらをクリック

vol.2「眠りから覚めたコンド山~史跡西寺跡の発掘調査~」はこちらをクリック