文化財の現場をみなさまにご紹介する文化財の現場からシリーズ(*不定期更新),第2弾は「眠りから覚めたコンド山~史跡西寺跡の発掘調査~」です。
こちらの動画は,YouTubeの字幕表示オンでご覧いただくことをおススメします!
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本日の現場は,国指定史跡の西寺跡です!
西寺跡は,日本で最初に国が指定した史跡の一つです。
左右対称を強く意識して造られた平安京には,都を守るために南の正面玄関である羅城門を挟み,東寺と西寺が建てられました。
西寺は990年の火災によって大きく衰退し,鎌倉時代に残っていた五重塔も焼け落ち,以後再建されませんでした。
現在は公園や小学校,民家の地下に遺構が眠っています。
2020年,西寺の中心となる建物で,お坊さんがお経の勉強を行う講堂跡の発掘調査を行いました。
この発掘調査の始まりから終わりまでを,定点カメラで撮影しました!
現在の地表面から,平安時代の地面まで重機を使って掘り下げ,後は発掘作業員さんと一緒に,手作業で掘り進めていきます。
大きな穴を複数確認し,柱が建っていた礎石を抜き取った穴であることが分かり,建物の規模を復元するための重要な情報が得られました。
また,床面は赤く焼けており,990年の火災で講堂が焼失したことが初めて分かりました。
見つかった穴などは,土のうや砂で丁寧に養生した後,元の地表面まで埋め戻します。
普段あまり目にすることが少ない,発掘調査の一部始終をご覧ください!
●史跡西寺跡情報● *講堂跡は発掘調査後に埋め戻され,唐橋西寺公園の中に土壇として高まりが残されています。 〒601-8466 京都府京都市南区唐橋西寺町 |