2024.04.19

公益財団法人日新電機グループ社会貢献基金様の寄附金を活用した無鄰菴「滝石組」の修繕について

・概要

 公益財団法人日新電機グループ社会貢献基金様からは、平成29年度から毎年(日新電機株式会社様からは平成27年度及び28年度についても)、京都市に御寄附をいただいており、令和5年度については、そのうち150万円を用いて、本市が管理する無鄰菴庭園にある「滝石組」の修繕作業を行いました。

 

・工事期間

 令和6年2月14日~令和6年3月29日

 

・工事内容

 無鄰菴庭園の構成要素である三段の滝については、滝口に至る流路の石組から漏水があり、周辺の苔地にも悪影響を及ぼしていました。このまま漏水し続けると、無鄰菴を築造した山縣有朋がこだわったとされる水量にも影響することが懸念されたため、流れ底の貼替えを中心とした保存修理を行いました。

 

・修繕前と修繕後の滝石組の状態の変化について

【作業前】

 滝石組から漏水があり、庭にまで及んでいました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【作業中】

 築山を掘削し、軟弱な地盤の除去や防水層の整備を行いました。

 また、流れ底の貼替えや石の目地止めを行い、漏水を止めました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【作業後】

 流れ底の勾配にも十分配慮して修理することで、無鄰菴庭園の重要な構成要素である三段の滝から美しく水が流れ落ちる姿に戻すことができました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(参考)無鄰菴とは

 

 無鄰菴は、明治時代に内務大臣・陸軍大臣等を歴任した山縣有朋の別邸です。

 庭園と母屋・洋館・茶室の3つの建物によって構成されており、庭園は山縣有朋の指示に基づいて、七代目小川治兵衛により作庭された近代日本庭園の傑作です。
 昭和26年(1951年)には、国の名勝に指定されています。