枝下の高さが揃った杉が整然と立ち並ぶ中川の風景。その独特の景観は、小説や絵画をはじめ様々な作品の題材にも取り上げられ、京都山間部の美しい景観の一つとして多くの人々を魅了し続けています。こうした景観は、都の文化を支えてきた北山丸太の生産をはじめ、中川の人々の長年にわたる営みの中で形作られてきたものです。
本報告書は、京都市が平成27~30年度にかけて、中川集落の自然や歴史、人々の暮らしや産業などについて調査し、その営みによって作り出された文化的景観の価値をまとめたものです。
この報告書が、山の営みと都市の営みが共鳴して生まれた、中川のかけがえのない景観を守り育てていこうとする気運を高める一助となることを願っています。
なお、ホームページでの公開にあたりまして、報告書の内容に影響を与えない範囲で修正している箇所があります。
また、内容に配慮し、念のため一部をホームページ上では非公開としておりますが、本報告書は国立国会図書館、全国の都道府県立図書館、京都市立の各図書館、京都市情報公開コーナーで御覧いただくことができます。
表紙:『雲のかけ』より 木立 芸艸堂刊